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【もっと!グルミクをディグろう!】西尾夕香さん×都田和志さんインタビュー公開!

「もっと!グルミクをディグろう!」の企画の第4弾として、

引き続き、愛本りんく役 西尾夕香さんと音楽プロデューサーによるインタビューを実施!

 

今回は、Merm4idの音楽プロデューサーである都田和志さんにお話聞かせて頂きました。

2021年4月に自身初の単独公演「Merm4id 1st LIVE Luv♡4U supported by シンガポール政府観光局」を控えたMerm4id。楽曲・ライブ制作などにあたっての裏話をお話頂きました。

 

曲を作るとき、基本的には

ライブでのお客さんの反応を中心に考えています(都田)

 

ーー「D4DJ」はライブから始まったプロジェクトですが、その中でもMerm4idは、外部のイベントへ参加したり、写真集を出したり、アニメ・ゲームに留まらず、様々な活動をされていますね。そのきっかけや意図を教えてください。

 

都田 Merm4idの音楽プロデュースを任されるにあたって、ブシロードの木谷会長から「ゲーム、アニメだけではなく、違う動きのできるユニットを」と言われていました。それを受けて、Merm4idがアニメで活躍するのは先ということもあって、枠にとらわれず活動の幅を広げ、D4DJをいろんな方に興味を持ってもらうきっかけになるユニットにしていこうと考えました。

 

ーーアニメ好きな人だけではなく、もっと広い範囲の人に作品を広められますからね。

 

都田 そうですね。グラビア雑誌で活躍しているメンバーもいるので、そこでもD4DJをアピールが出来たりするのはMerm4idの特徴ですね。声優という仕事は元々声での活動を軸としているので、多くの方がイメージされる“声優”とは違う活動が出来る異色のチームがいるのもいいのでは?と思ったんです。それは、いろいろな人の曲を流すDJの性質とも共通していて、こちら側もミクスチャーでなければいけないなと。Merm4idのキャラクターにもリンクする話ですが、「Merm4idのキャストは、アニメやゲームに興味がないのかな?」と思われるお客さんもいらっしゃると思います。でも、(実際に本人たちと)話すとゲームやアニメが大好きなんですよ。

 

西尾 そうなんですね! 意外です。

 

都田 例えば、松山ダリア役の根岸 愛さんは、カッコ良くて強そうに見えるけど、内面的には女の子な感じがダリアと共通していますね。ゲーマー度合いは、『D4DJ Groovy Mix』(以下『グルミク』)を本気でやっているところから見ても分かると思います。平嶋夏海さん(瀬戸リカ役)も漫画好きだったり。

 

――第一印象とギャップがありますね。

 

都田 そう思われる方も多いかもしれませんね。岡田夢以さん(水島茉莉花役)は、以前所属していたユニットのリーダーをしていた経験があって、柔らかそうに見えて一番芯が強いんですよね。葉月ひまりさん(日高さおり役)は、なかなかのパワーの持ち主で、一番末っ子キャラみたいなポジションです。彼女が入ることで4人のバランスをすごく良くしてくれたなと思います。

 

ーーそんなメンバーが、ステージで息の合ったパフォーマンスをしているんですね。

 

都田 ライブで、Merm4idのパフォーマンスが始まると“治安が悪い”とお客さんによく言われるけど、それを計算してやれているのは、彼女たちが“魅せるプロ”だからなんです。彼女たちは、根っからのパフォーマーだから、「次はライブで、これをやろう!」と決まったら最大限挑戦する。だからこそ飛び道具っぽい感じでやれているし、本当に良いメンバーが揃ったと思います。

 

ーー西尾さんは、Merm4idについてどんな印象を持っていますか?

 

西尾 キャラクターはみんな同じ大学なんですけど、DJの日高さおりが振り回されている立場なんですよね。実際のキャストを見ていても葉月さんが一番末っ子、周りがお姉さんという感じなので、さおりがリカ、茉莉花、ダリアを追っているという風に捉えるとそんなところも似ているなぁって思いました。

あと、外部のフェス(『激ロックDJパーティー』/2019 など)にMerm4idさんが出演されているのを拝見したときに、とても女性らしい!と思ったんです(笑)。しかも、それが4人それぞれ違う方向性で、元気な可愛さ、あざとい可愛さ、ピュアな可愛さ、セクシーな可愛さがある。女性ならではの魅力が詰まったすごいユニットだ!と思いました。

 

都田 それはステージ上の姿に迷いがないからなんでしょうね。そこはMerm4idの魅力でもあると思います。たとえば、曲のイントロで四つん這いになるって想像できないと思うんです(「round and round」)。ハリウッドのミュージカルでも、すごく過激な格好をしているものがあるけど、それは、ストーリーの中で必要だからやっているんです。そのことを理解して、彼女たちが振り切ってパフォーマンスするから、カッコよく見える。たとえば、おへそを出すファッションも、若いお客さんからは可愛いと思われるものだけど、上の世代の人からしたら、「何だ!へそを出して」って思うのかもしれない。でも、手も足も全部が表現するものだと思っているので、それを最大限使ってパフォーマンスをするというのは、Merm4idにしかできないところになるんだろうなって思います。

 

ーーそこが“女性らしさ”に繋がったんでしょうね。

 

都田 だからライブではそういうところをふんだんに取り入れています。ダンスの先生もグラビアのポージングを多く入れてくれていて、そこを切り取って写真にできるようなパフォーマンスになっているんです。Merm4idは、シャッターが切れる感じのリズム感を大事にしていたりするので、そこは他との差別化という意味で、意識しています。

 

ーー曲を作る時点で意識されているんですね。

 

都田 めちゃめちゃ計算して作っています。僕の場合、まずリズムを最初に決めて、フリーで(メロディを)弾きまくって、良かったところだけを切り取って、そこをサビにするような作り方をしています。基本的にはライブでのお客さんの反応を中心に考えています。(Peaky P-keyの音楽プロデューサーである)上松(範康)さんがすごいのは、それに加えてリズムゲームの譜面ことも考えていらっしゃるんですよ。ここをこうしたら難しくなる、とか。それでいてメロディメイカーだし……。僕の中で『D4DJ』って、TVアニメ「D4DJ First Mix」で先に活躍した3つのユニットを基準にすると、右にPeaky P-key、左にPhoton Maidenで、その直線上の真ん中にHappy Around!がいる感じなんです。だから、僕らはそこではなく、もっと先端を目指している。先程飛び道具といったのはそういう意味で、Merm4idはフェスでも最初とか最後に締めるユニットではないんです。ちょうどライブで、お客さんが疲れてきたなぁってところで突き刺してくるのがMerm4idの良さだし、他の音楽プロデューサー陣のことも考えて曲を作ったりしていますね。そうやって振り切っていくしかないと思っているから、Merm4idの曲を作るのも結構早くて、歌詞も2時間かからないくらいで書いているんですよ。

 

西尾 そんなにすんなり書けるものなんですか!?

 

都田 ここでこう言えばハートが撃ち抜かれるとか、パフォーマンスやステージングを考えて言葉を選ぶんです。元気で、枠にとらわれない魅力がある彼女たちの声をどう活かすかを考えると、連呼したりする形が良かったりするんです。そうやってキャラクターの動きを考えながら書いているから、迷いがなくて早いんだと思います。

 

西尾 でも、「4U」とかは女の子の気持ちを描いていたりしたから、書くのに時間がかかったりするのかなと思っていたんですけど……。

 

都田 それはおそらく、音楽制作という仕事柄、女性の心情を理解しなければいけない場面が多かったので、他の曲と変わらず制作に取り組めたんじゃないかなと。Merm4idは大学生でパリピだけど、本人たちの内面は違っていて、外見の印象からだけで周りの人が決めつけてくることに対して、「私は、そんなじゃない!」と感じるところがあると思うんです。そういうところを拾って書いている感じです。「本当の友達とかには、そういうことも言えるけど、浅い関係だったら言えない。でも、あなただけには分かってほしい」という心境を書いたのが「4U」なんです。ちなみにUを大文字にしているのは、(「U」というアルファベットの文字の)形的に大きな器で受け止めてもらえそうだからというのもあって、「私を受け止めてほしい」という意味も込めて付けているんです。

 

ーー勝手に決めつけないでほしいというところは「round and round」の歌詞にも通じますよね。

 

都田 そうそう。だいたい決めつけられるのってイヤなんですよね(笑)。

 

 

Merm4idの曲の中で

「BOOM-BOOM SHAKE!」が一番好き(西尾)

 

 

ーー「round and round」と「BOOM-BOOM SHAKE!」は『グルミク』のユニットストーリーに合わせて解放される曲なのですが、プロデュースや曲制作をする際は、どんなことを考えて作っていったのでしょうか?

 

都田 社会人は違うかもしれないけど、Merm4idのような大学生くらいの若い女の子たちが思っていることって変化があるようでないんです。一人になりたいと思うし、みんなといたいとも思う。放っておいてほしいと思うけど、かまってくれないと寂しい。どちらかの感情を持ったら、必ずその裏側にも行くので、若いうちはぐるぐる回るんだろうなと思って書いたのが「round and round」。

それに裏テーマとして、曲ごとに、ライブでお客さんをどう盛り上がらせようかというのを盛り込んでいるんですよ。その場でお客さんを回らせたいなと思って作った曲です。

 

「BOOM-BOOM SHAKE!」はMerm4idのその時点での集大成で、ひとつの区切りです。自分の中でMerm4idの熱いテンションを全開にさせたいと考えて、もう笑いながら作っていましたね(笑)。

 

西尾 私、Merm4idの曲の中で「BOOM-BOOM SHAKE!」が一番好きです!

 

都田 そうなんだ! この曲で、振り付けの先生が神だなと思ったのは、〈boom boom shake!〉のところの振りを、単車のブンブンにしたんですよ(笑)。平嶋さんがバイクに乗っているというのもあるけど、その発想はすごいな!って。「ありがとうございます」って改めてちゃんとお礼を言いました(笑)。

 

ーー(笑)。集大成の意味合いが強かったんですね。

 

都田 もうデタラメですよ(笑)。とにかくノリとぶち上がるしかないよねという感じで作っていたので、お客さんも何も考えずに踊ってほしい気持ちです。それと、これまで〈最&高〉って言葉を、すごく歌詞に使っていたんです。でも、アニメやゲームにまったく反映されないので、挫折したという曲でもあるんです(笑)。

 

西尾 あははは(笑)。よく(キャストさんの)ツイートでも〈最&高〉って言っていますよね?

 

都田 そうそう。本人たちも〈最&高〉って言っているのにシナリオ本編で使われない! しかもこれを使っていた理由のひとつに、上松さんが「都田さん、それすごく良いからずっと使いなよ」って後押ししてくれたというのがあるのに(笑)。だから「BOOM-BOOM SHAKE!」では、掛け声含めて初めて〈最&高〉が入っていないんです。集大成なのに! 諦めですよね。そしたらメンバーから、「都田さん、“最&高”がないんだけど!」ってクレームがありました(笑)。

そんなこともありつつ、これは(Photon Maidenの音楽プロデューサーの)水島精二さんともよく話しているんですが、僕ら(音楽プロデューサー)が、“音”でケンカをしないとダメですよねって。バラバラの特徴でやっているのが『D4DJ』の良いところなので、他には負けたくないという気持ちでやりましょうと言ってくれているので、かなり気合を入れてやっています(笑)。

 

西尾 ライバル視するユニットは、ありますか?

 

都田 ライバルかぁ。それでいうと全部ライバルですよ。上がってきた曲を聴くと、これだよなー!って思うので。でも、ライバル視とは別で、それぞれのスキルも上がってきているのが面白いですよね。今回のアニメ化で、キャラクターがはっきり出てきたじゃないですか。だから、キャラクターを演じるキャストが、これで良いんだ!って堂々としてきている気がするんです。だから(アニメで出番が多かった)Happy Around!、Peaky P-key、Photon Maidenは一歩先に行っちゃっている気がしますね。ハピアラは、「D4DJ 1st LIVE」の時はすごく初々しかったのに、今は振り切っていて、強いなぁって感じています。

 

 

1st LIVEのヒントをひとつだけ教えます

Merm4idはノンストップです!(都田)

 

 

ーーキャストやキャラクターがDJパフォーマンスを披露するYouTube配信「#D4DJ_DJTIME」を見た感想を教えていただけますか?

 

都田 お客さんが会場にいないので少し寂しさもありますよね。やっぱりクラブサウンドとかDJサウンドって、プレイヤー側ではなくお客さんがぐわーって盛り上がっているところが魅力だから、お客さんが盛り上がっている映像があると、一層盛り上がれると思うんです。

今は一人でやっていることが多いからテクニックとかがフィーチャーされるけど、この先、情勢が変わってきたら、お客さんを入れてパフォーマンスをして、こうやって盛り上がるんだ、じゃあライブではどうやって楽しもうかっていうのが分かるのかなと思います。

 

ーーでは、都田さんが“Merm4idの魅力を伝える”セットリストを組むとしたら、どのようなものになりますか?

 

都田 これ、僕が今話してしまうと、4月2日の1st LIVEのセットリストが分かってしまうんですよね。僕がセットリストを組んでいるので。だからライブでのお楽しみに!ということにしてほしいんですけど、ひとつだけヒントを教えますと、Merm4idはノンストップです!

 

ーー西尾さんがMerm4idの曲をDJで流すとしたら、どのタイミングで入れるのですか?

 

西尾 先程都田さんもおっしゃられていたのですが、最初や最後ではなく、間のいい感じの、ここだ!っていうときに入れたくなります。それとカットインよりは混ぜて入れたい曲が多い印象があります。テンポが130~140前後の曲が多いと思うんですけど、それには理由があるんですか?

 

都田 悪そうなイメージというか、要はマイナーコードで一番盛り上がれるテンポ、なおかつ歌で合いの手も入れられるとなると、そのくらいのテンポが王道なんですよ。なのでオートシンクを使わなくても、流行っているEDMの曲に、BPMを合わせなくても乗っけられるという。ターンテーブルがなかったとしても曲が繋がるような感じにしているんです。つまりクロスフェードしなくても、ライブラリで繋いでも繋がることは意識して作っています。

 

ーーでは最後に、Merm4idを応援しているファンのみなさんにメッセージをお願いします。

 

都田 単体でMerm4idの曲を聴いていただくのもありがたいのですが、プロジェクトのユニットの曲を全部聴いてもらいたいと思っているんです。Merm4idでもバラードや可愛い曲をやりたいけど、キャラクターの振り幅的にはまだそのタイミングではないので、そこは他のユニットの曲を聴いてもらえればと。そうやって全部聴いた中で、Merm4idが好きだっていう聴き方のほうがいいのかなと考えていて。音楽プロデューサー同士は切磋琢磨しているので、お客さんには、そういうユニットごとの違いを楽しみながら聴いてもらえるとうれしいなと思います。