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【もっと!グルミクをディグろう!】西尾夕香さん×中山雅弘さんインタビュー公開!

「もっと!グルミクをディグろう!」の企画の第5弾として、

引き続き、愛本りんく役 西尾夕香さんと音楽プロデューサーによるインタビューを実施!

 

今回は、燐舞曲の音楽プロデューサーである中山雅弘さんにお話をお聞きしました。

 

2021年3月に自身初の単独公演「SPACE SHOWER TV Plus PRESENTS 燐舞曲(RONDO) 1st LIVE [Re] incarnation ─甦生─ at Zepp Haneda」を控えた燐舞曲。

ライブ制作、楽曲とシナリオとの親和性などをお話頂きました。

 

立ち位置から基本動かないというのは

燐舞曲だけだと思うんです(西尾)

 

 

ーー燐舞曲のキャラクターの印象をお聞かせください。

 

中山 やちぇさんが描くすごく圧が強くて余裕のある三宅葵依と歌う気満々の青柳 椿の絵を見たとき、すごく勢いのあるユニットなんだろうなと思ったんですけど、実際にストーリーを見ていくと、見た目の印象と中身が皆違ったんです。

 

自分に弱いところがあったり、熱くなれることがなかったり、ちぐはぐしていて、まとまるのに時間がかかっているなという印象と、まとまったかと思ったら失敗して離れたり、最初の印象と随分違ったんですよね(笑)。だから弱いところがありつつ、一緒にいるから強くなれるというところが強調されているキャラクターたちなのかなと思っています。

 

西尾 私は家族みたいな印象を受けていて、キャラクター自体もそうですけど、キャスト同士もすごく仲が良い印象が強くて、そこはリンクしているなって思います。キャラクターとしてはMerm4idと同じ年齢感なんですけど、その4人よりオトナっぽい印象でした。

 

中山 僕はオトナなのか?とも思ったんですよ(笑)。Happy Around!、Peaky P-key、Photon Maidenって、高校生らしいハツラツとしたところやキラキラした部分があるじゃないですか。でも燐舞曲って、外の世界に出たものの、オトナになりきれてない感があるんですよね。だから僕は、Merm4idのほうがオトナな感じがしているんです。

 

西尾 そうなんですか!?

 

中山 Merm4idは男の人って何でこうなの?みたいなニュアンスが歌詞等に出ているでしょう。でも燐舞曲ってオトナの社会にハマっていない感じがするんです。

 

西尾 なるほど。

 

中山 それとキャストの仲が良いのは、最初にキャラクターを背負ってほしいと言ったので、みんなその意識を強く持っているから、というのもあると思います。

 

葵依役のつんこさんはコスプレイヤーで、椿役の加藤里保菜さんはラジオ、舞台を中心にやっていて、矢野緋彩役のもものはるなさんは声優と、キャラクターに入ることはもともと得意なタイプです。月見山 渚役の大塚紗英さんは、ライブとキャラをセットと捉えて活動出来る方なので、今回もやりやすかったと思うんです。だから4人揃ったときはこうしようというのが根っこにあると思うんですよね。

 

西尾 中山さんは燐舞曲のメンバーとは、頻繁に打ち合わせをしているのですか?

 

中山 あまりやっていないですね。曲作りのところだと、オリジナル曲に関しては加藤さん中心に仮歌を録って、そこからメンバーに展開したりするので、他のメンバーはあとから聴くことが多いかもしれない。ある程度作り込んでから曲を聴かせている感じです。

 

ーーメンバーとの距離感がユニットそれぞれで違うところが面白いですね。では、燐舞曲のライブの魅力を教えてください。

 

中山 まずライブの編成ですけど、燐舞曲はDJの葵依がいて、その横にコーラスの緋彩を並べているので、ステージを見たときに(縦に)2−2になっているんですけど、それは全体を見たときに、燐舞曲の世界観を出しやすい形だったからなんです。

 

DJと3人のフロントマンがいる形より、燐舞曲は椿がスタンドマイクで一心に歌うので、その増幅装置みたいな形で、緋彩が後ろで世界観を表現していますよ!みたいな感じを出したかったし、全ユニットの中で唯一ギタリストがいるので、ギターパフォーマンスを「動」として出したかった。

 

だから上のDJ卓サイドは、普段のほほんとしているけどDJをしているときは爆発している葵依と、上と下で「静」と「動」が配置されているんですね。そうすると、ゆらゆら揺れる炎っぽい雰囲気が出せるし、芯の熱い炎の「静」とメラメラと激しい炎 の「動」という感じも作れる。そうやって役割が決まっている感じというのは魅力だし、曲を表現する上でもやりやすかったというのはありますね。

 

ーー西尾さんは、いかがですか?

 

西尾 あまり立ち位置から動かないというのは燐舞曲だけだと思うんです。個々がそれぞれのやるべきことをやっているけど、そこにユニットとしての絆が見えるところがすごいなっていつも思います!

 

中山 それもゲームのストーリーに合わせてチームが固まって行くのと同様で、実際にライブを重ねていって、キャスト同士の気持ちが固まっていき、立ち位置ができたっていうことでもあるんですよね。

 

 

燐舞曲の曲は、シナリオに密接に、よく考察してみると全体で

リンクした感じの曲になっているんです(中山)

 

 

ーー「ニルヴァナ」と「prayer[s]」は、『D4DJ Groovy Mix』(以下、『グルミク』)のユニットストーリーに合わせて解放される楽曲ですが、プロデュースや楽曲制作にあたり、どんなことをお考えになりましたか?

 

中山 最初に「瞬動-movement-」「カレンデュラ」という曲を作って、今回のストーリー「ROAD TO D4 FES.」は燐舞曲の結成話になるのですが、ライブが成功したときの解放曲が「ニルヴァナ」になります。

 

燐舞曲の曲って、MY FIRST STORYさん(以下、マイファス)がメインで作っている曲は、疾走感のある爽やかな感じで、NIGHTMAREの咲人さんが作る場合はダークな雰囲気が増した感じの曲になるんです。さらにピアノアレンジが心地いい眩暈SIRENさんほかeMPIRE SOUND SYSTeMSさんが取りまとめるクリエイター陣が曲の幅、色の違いを出していっているのですが、「ニルヴァナ」は咲人さんに作っていただいて、今のところオリジナル曲で一番ダーク感強めの曲になっています。幅を出したかったというのがあります。

 

「prayer[s]」は、「カレンデュラ」を作ったときに、ストーリー仕立てにしたいという話をしたら、ゲーム開発のDonutsさんに、それならストーリーに紐付いた曲作りをしていきませんか?と提案されて、仕込んでいった感じです。だからシナリオに密接にリンクした感じの曲になっていますね。

 

西尾 「prayer」という曲があって、そこから「prayer[s]」ができるというのがエモかったです。同じ曲が「グルミク」で、3種類も実装されたので、堪能しまくりました(笑)。

 

ーーベースが同じ曲が3曲あるということについて、もう少し詳しくお話しいただけますか?

 

中山 まず、燐舞曲が所属するクラブALTER EGOの伝説の曲として先代が残した「prayer」という曲があって、それは一般の人も聴いたことがあるような曲でいきたいと思いました。そして燐舞曲を葵依が任されることになるんですけど、伝説とか伝統ってやはり重いんですよね。

 

普段、あまり熱くなることがない葵依はユニットのメンバーを探していたときに、椿という、この人だったら熱くなれるというボーカリストに出会い、燐舞曲のメンバーにするんです。葵依はトラックメイカーとして、そこで単純に伝統を受け継いで歴史を繋いでいくのではなく、縛られず革命を起こしたいという気持ちが沸々と出てくるんです。伝統を守ることも大事だけど、それを進化させないといけないと思い、燐舞曲はこのメンバーで新しい道を創れるという意思表示のため、歌詞やアレンジを変えて「prayer[s]」を創り上げる。

 

だから「prayer」という受け継がれてきた伝統の曲と、「prayer[s]」という今の燐舞曲の4人の曲があって、その途中に、物語の一つとして葵依がひとりで歌い上げる「prayer(葵依 Ver.)」があるんです。

 

〈僕の声が鳴り響く〉→〈僕の声は届いていますか?〉と歌詞が変わっているんですけど、そこは葵依が想いを込めて創ったんだなと感じてもらえると、キャラクターや燐舞曲をもっと好きになってもらえるかなと思います。

 

ーー実際に編曲自体も変更していますよね。もともと作曲はNob from MY FIRST STORYですが、「prayer」は咲人さんのアレンジで耽美に、「prayer[s]」はNobさんのアレンジで、よりエモーショナルになっています。

 

中山 そうですね。曲の制作に関わっているチームで変化をつけていて、マイファスさんが入るとビートが強いものになるので勢いが出るし、咲人さんは耽美さ、重厚感が出るので、変えていきたいところに人自体を代えてしまおうっていう。そうすると、お互いの切磋琢磨も見られて面白いですよね。

 

ーーアレンジによって、曲はガラッと変わりますからね。

 

中山 カバー曲に多いですけど、眩暈SIRENさんにも多くの曲に参加していただいているので、咲人さん、マイファスさん、眩暈SIRENさん等様々な方に活躍していただいてます。

 

ーーストーリーに紐付いているので、それを知ったときに聴こえ方が変わるのが面白いです。

 

中山 ちなみに「カレンデュラ」って、渚のギターの名前でもあるのですが、次のユニットストーリーにも関連するので、この先もご期待ください!

 

 

西尾さんにりんくになってもらったら

自分の想像以上にりんくになっていたんです(中山)

 

 

ーー出演キャストやキャラクターがDJパフォーマンスをするYouTube配信「#D4DJ_DJTIME」のご感想をお願いします。

 

中山 もともと金曜日の夜を『D4DJ』の時間にしたいと思って始めて、西尾さんをはじめとしたDJの方が、自分の考えたセットリストをプレイするような番組にしていました。そういう番組をやっていく中で、僕が過去ボーカロイドのライブを手掛けていたりしたノウハウを活かして、3DモーションキャプチャーでキャラクターにDJをやってもらおうという話になったんです。

 

たぶん初期の段階だとこういう取り組みはできなかったと思うのですが、ライブやDJとしての活動を重ねてきた声優さんたちを見て、この人たちならばできるという感じがあったのでお願いしたんです。それで西尾さんにお願いしてリハーサルを見ていたら、自分が想像していた以上にできていたんです。できそうかなっていうところから、こんなにできちゃうんだ!って一瞬で変わったのが面白かったですね(笑)。Twitterのコメントとのやり取りとかを見ても、すごく面白いんですよ。ディグラーの皆さんのリアクションひとつひとつ見ていても、キャラクターって1年でこんなに浸透するんだなって思いました。

 

ーーさすが西尾さんです!

 

西尾 頑張っています!

 

ーー技術の進化がすごいですよね。リアルタイムで動かせるわけですから。自分でご覧になっていかがでしたか?

 

西尾 映像を頂いたので拝見したんですけど、私も第三者目線で、「りんくかわいいな」って思って見ちゃってました(笑)。

 

中山 この前、りんくと明石真秀(CV.各務華梨)でやったけど、勝手にふたりで遊びだすから、どんどん魅力とやれることが広がっていっている感じがして面白かったですし、声優さんのありがたみを感じましたね。努力しているんだなぁと感じました。

 

ーー燐舞曲のラジオの番組名『今宵、海を見つめて』から、中山さんが思う“今宵、海を見つめ”ながら聴きたいセットリストをテーマにするとしたら、どんな曲を選びますか?

 

中山 僕、意外とドライブでお台場とかに行って海を眺めたりするんですけど(笑)、海は静けさと荒々しさがあるので、燐舞曲のオリジナル曲とカバー曲でセレクトするとしたら、1曲目はカバー曲「KiLLiNG ME」にします。やはりいろいろな気持ちを持って海に行くので、あのイントロの激しさがありつつ、きれいな歌声を聴きたいなって思います。この曲はギターサウンドが重たいので、燐舞曲っぽさがありますよね。そこからは、オリジナル曲「Horizontal Oath」かな。これは燐舞曲の4人が結成したあとに、この先4人が同じ思い=価値観(Horizontal)で共に歩んでいくことを誓い(Oath)少し前を向いていく曲になるので。で、その水平線の先には大きなフェスとかがあって、客席のみんなと歌うことをイメージして作られたオリジナル曲「クライノイド」があって、最後は元気になって家に帰りたいのでカバー曲「Rising Hope」を聴いたら、良い夜になるのかなって思います。興奮して寝られなくなるかもしれませんが(笑)。

 

ーーテンションが上がるセットリストだと思います。西尾さんはDJで燐舞曲を流すときは、どういうタイミングで流すのですか?

 

西尾 全体を5ブロックに分けるとしたら1か4に入れたくなります。

 

中山 ブロックに分けて考えているんですか?

 

西尾 日によって(ブロック数は)3にも4にもなりますけど、全体を見て、やりたい繋ぎをここに入れようというのを決めてから、その前後を作っていく感じなんです。でも、ハピアラから燐舞曲って雰囲気(や曲の持つテンション)が違いすぎて行けないんですよね……。ただ、ハピアラがカバーする「熱風海陸ブシロード ~熱き咆哮~」(3月24日グルミクに実装)は、ハピアラ楽曲の中では燐舞曲にいい感じに繋がりそうなので、発表されたら繋げてみたいと思います!

 

中山 いやぁ、でも本当にちゃんとしているよね。声優さんって瞬発力が大事な仕事で、この現場ではこのキャラ、でもすぐ次の現場では違うキャラになったりするんです。でも、ブシロードのメディアミックスプロジェクトは、ライブや舞台やゲームにアニメと複合的にやっているから、声優としてのスキルだけではないところのパラメータも上がっていくんですよね。だから「#D4DJ_DJTIME」でキャラクターにもすんなりなれるのかなって思うし、すごく尊敬しているんですよ。

 

西尾 恐縮です(笑)。

 

ーーでは最後に、燐舞曲の楽曲を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

 

中山 eMPIRE SOUND SYSTeMSさんともう2年くらいやってきていますが、常に気持ちを更新して期待以上の曲を出していけるような努力をしていますので期待していてください。

 

今後は「カレンデュラ」の流れを汲む曲があって、それもストーリーと絡んでいて、「カレンデュラ」ってこういうものだったんだよっていうアンサーソングみたいな感じになっているんです。だから、『グルミク』のストーリーと合わせて、中身を噛み締めてもらうとより好きになっていただけると思うので、それを感じてほしいし、楽しみにしてもらえたらうれしいです。